システム監査体験セミナー(実践編)開催報告

会員番号1709  荒町 弘

1.セミナー名称  システム監査体験セミナー(実践編)
2.開催日時    2014年8月30日(土) ~ 8月31日(日)
3.開催場所    大阪大学中之島センター 201号室
4.開催概要

saaj_20140830_写真01近畿支部では、2014年8月30日(土)、31日(日)大阪大学中之島センターを会場として、システム監査体験セミナー(実践編)を開催しました。受講者は7名、2つの監査チームを編成しての実施となりました。 1日目は13時から19時、2日目は10時から17時までの2日間コースで実施しました。IT系の建設業や情報通信サービス業などを手掛ける企業を事例とし、「情報システムの現場業務に対する適合度」について外部監査を行い、監査報告では課題および課題解決に向けた方向性を示すという流れでロールプレイを交えながら実施しました。

(1) 講義 & トップインタビュー

最初にコース内容およびシステム監査の実施手順について説明。監査対象企業であるg社の組織の確認をはじめ、社内の情報システム概要や「基幹システムの概要と関連業務の流れ」や「ICT中期計画」等について確認した。その後、受講者はチーム作業を開始し、トップインタビューの準備に入りました。

(2) 予備調査 & 監査個別計画作成

トップインタビューでは、インタビューの目的を的確に伝え、g社が外部監査を依頼した目的のヒアリング、g社の事業展開や外部環境変化、情報システムの役割と今後の期待などについて詳細なヒアリングが実施された。また、従業員アンケートによる情報システムの現場業務への適合度に関する調査結果も踏まえて予備調査の準備が進められました。 情報システム本部長と営業部長向けに20分のインタビューを実施し、その結果を踏まえて監査個別計画書の作成を行い、チームごとに内容を発表していただき1日目のカリキュラムは終了しました。

(3) 本調査 & 監査報告saaj_20140830_写真02

2日目は、本セミナーのメインとなる本調査を実施しました。受講者は準備した質問項目に従って、監査対象企業のSIサービス事業等を担当するSEおよびSEマネージャに対する30分間のインタビューを実施しました。トップインタビューおよび予備調査で得た内容から検討された質問内容はよく練られており、短い時間の中で簡潔・的確なインタビューが実施されていました。 本調査実施後は、本調査のまとめと監査報告書作成、そして最終的には今回の監査依頼者であるg社の経営者を含めた被監査部門への監査報告会を行いました。被監査部門からの質問に対して、これまでの議論を重ねた内容を背景に適切な回答で対応されていました。 最後に、講師から監査報告書の紹介や解説と受講者との意見交換などを行い一連のカリキュラムは終了となりました。

5.受講者の皆様の感想

受講された皆様からは、以下のようなお声をいただきました。 ・机上の勉強を実践で体験できた点において期待通りでした。一方で、事前の知識のレベルが想像以上に高く(講義がほぼ無く)ロープレが開始されました。チームメンバーに恵まれて助かりました。 ・チーム作業で、考え方・まとめ方などの手順等が学べて良かったです。 ・大変学ぶところの多いセミナーでした。システム業務、システム監査ともに未経験で、事前配布資料を見た時はいったいどうなるのか・・・と心配でしたが、当日は講師の方々、チームメンバーの皆様のおかげで、調査フェーズ、報告書フェーズともやりとげることができました。 ・わからないながら、グループの方に助けられて、報告書ができて良かったです。 ・2日間盛り沢山の内容であっという間でした。良い研修でした。感謝です。 ・テーマが監査として取組むには難しかったと考える。こういうケースで学ぶことも必要であると考えるが、よりベーシックな、基本的なシステム監査について学んだ上でというステップが適切かと思います。

6.感想

今回の監査は、企業合併や事業多角化を進めるg社における現行システムの現場のニーズへの適合性や経営戦略・情報戦略との適合性について診断するという、新システムの企画・計画段階での監査であり、難易度も高く監査人には高い質問力を問われる監査であったと思います。 監査チームの皆様は限られた時間ではありましたが、議論を尽くして一連の監査手続きに臨んでもらいました。受講者の皆様、本当にお疲れ様でした。

以 上