2017年 8月 9日

会員番号 1818 福本 洋一

1.テーマ 「中小製造業のグローバル化プロジェクト」
~異文化コミュニケーションから見た海外拠点のガバナンス~
2.講師   グローバル人材育成センター アドバイザー 坂口 幸雄 氏
3.開催日時 2017年7月21日(金) 18:30〜20:30
4.開催場所 大阪大学中之島センター 2階 講義室201
5.講演概要

(1)テーマ

・中小製造業の日本式経営のガバナンスの問題の本質を明確化し、それを組織や個人の問題にブレークダウンした上で、その解決には「異文化コミュニケーション」と「プロジェクトマネジメント」が有効であることを解説いただきました。

(2)中小製造業の海外拠点における3つの課題

・ガバナンスや権限移譲が曖昧(欧米企業とは異なり、日本企業では本社から経営者が常駐し、権限は日本人に残すが、他方で、日本本社からの優秀な人材の派遣や資金の供給が十分に行われていない。)
・OJT重視で標準化・マニュアル化できていない(日本企業では責任・権限・職務規定は曖昧であり、日本独自の稟議制度も、外国人には理解不能)
・日本企業の組織・企業風土の閉鎖性・曖昧性(日本型経営の強みであった職能給制度(収入が業務と関連しない点)等がグローバルビジネスでは通用しない)

(3)内なるグローバル化の推進のポイント

・海外拠点では、社内に外国人が入ってくるので、組織内部のグローバル化が課題
・①グローバルな仕事の進め方・段取り方法の採用(スキルや経験をベースに仕事を組んでいくことが重要)と、②プロセスオーナーという意識の向上(業務の目的やリスクを把握した上で、適切に業務プロセスの設計・構築・運用を遂行することが求められる)がポイント

(4)異文化コミュニケーションの必要性

・海外拠点では、日本的経営の強みである「暗黙知」が通用せず、欧米的経営による「形式知」を取り込むことが必要
・欧米的経営を取り込む際には、企業風土や価値観を取り込むために、異文化コミュニケーションが重要

6.所感

日本国内においても「働き方改革」の取組みが進められていますが、特に海外拠点においては、日本企業の伝統的な組織形態(日本型経営)がグローバル化の中で見直されることが重要だと感じました。
また、中国に進出した企業の実例を通じて、中国のWTO加盟以降のビジネス環境の変化も写真も交えてご紹介いただき、臨場感のあるお話で興味深く拝聴いたしました。

以上

会員番号 0620 小山 正弘

1.テーマ 「公会計とシステム監査」及び
「某基礎自治体におけるシステム・トラブル対応の進展」
2.講師 ジョイント・ホールディングス(株)IFRSグループ・ディレクター
公認システム監査人、公共政策・IFRSコンサルタント
田淵 隆明氏
3.開催日時 2017年6月17日(土)15:00~17:00
4.開催場所 大阪大学中之島センター 2階 講義室201
5.講演概要

講師は近畿支部会員であり、支部において「システム監査法制化研究プロジェクト」の座長を務めておられます。今回は、公会計とシステム監査及び某基礎自治体におけるシステム・トラブル対応の進展について幅広い視点からお話しいただきました。
講演の目次は以下の通りです。

♯1:(はじめに)我が国の製造業が苦境に陥った原因 ~我が国を苦しめる8つの元凶~
♯2:日本の会計基準(JGAAP)と制度改正のタイムテーブル
♯3:公会計と企業会計の関係
♯4:消費税複数税率化
♯5:消費税を巡る新たな課題
♯6:某自治体のシステム・トラブルとシステム監査

 はじめに、全体的な課題認識として、我が国の製造業が苦境に陥った原因について、講師のロビー活動による情報も踏まえ説明されました。♯3では、来年4月から実施される地方公共団体会計の「発生主義」・「複式簿記化」への対応や、期末一括仕訳でなく日々仕訳を採用される自治体での移行リハーサル実施など、システム監査上の課題について話をされました。
また、♯4では、複数税率対応のポイントは、「明細単位で消費税の計算ができること」であり、各社の対応状況について話をされ、「包括的間接税における複数税率は、世界中、どこでも実施している制度であり、5%の段階において、将来の引き上げが中長期的な不可避な流れの中で、複数税率は不可避であった。システムベンダとして、将来拡張性を考慮しなかったのはまさに設計ミスと言わざるを得ない」と見解を述べられました。
♯5では、制度上生じている矛盾や病院などの医療機関における損税問題について具体的に示され、システム監査を実施する際の確認事項、留意点を話されました。

・脱税防止効果は強化された
・簡易課税は縮小される方向
・益税は消滅するが、損税は残る
・煩雑な「課税売上割合」の計算も残ってしまった

♯6では、2014年8月4日に自治体の基幹システムが丸1日停止したシステム・トラブルについて、2016年3月19日の研究会に引き続き、その後の議会の動き、システム対応、技術・知識の習得面等について話をされました。
[直接原因] 負荷分散装置のファームウェアのバグによる過負荷
[根本原因] 共同利用していたデータセンターのWebサーバ、APサーバ、DBサーバは筐体分離されていたが、負荷分散装置は、単一障害点(Single Point Of Failure)になっていたため、他の自治体の業務への影響を回避するため、再起動は午後5時30分まで待つことになった。

[その後の議会の動き]

2016年3月10日の予算特別委員会(企画総務委員会所管質疑)

・CIOアドバイザーに「システム監査技術者」、「公認システム監査人」だけでなく、「情報処理安全確保支援士」の確保に努める。
・「情報セキュリティマネジメント」、「情報セキュリティスペシャリスト」の受験を推進
⇒ 自前で「情報処理安全確保支援士」の確保に動いている。
2016年9月30日の決算特別委員会(企画総務委員会所管質疑)
・情報政策課では、継続的な人材育成として、ICT人材育成計画に基づき、職員を情報セキュリティに関する専門研修や、実践的サイバー防御演習などに派遣し、実務上必要な知識を習得させている。
・専門企業を活用して定期的に情報セキュリティの技術面での評価を行い、情報セキュリティについて高度な知見を有するCIO・CISOアドバイザーからもご意見をいただきながら、新たな技術の導入による改善を実施している。
2017年3月23日の予算特別委員会(補充質疑)
・職員を情報セキュリティ等に関する専門研修に派遣し、実務上必要な知識を習得させている。資格などについては、若手職員を中心に、情報セキュリティマネジメント試験の受験など、自己啓発に取り組んでおり、合格者も出ている。

 最後に、講師は、ご自身の経験から「AIに負けないよう、ぜひ専門家として、身近な問題について社会に働きかけてください。2年、3年と取り組めば、ルール、運用も変わります。変えていくことができます」と、結ばれました。
上記に関しては、次の講師による本部会報への投稿内容及び近畿支部報告内容も参照ください。

2015年8月号  No.173:【 基礎的自治体のシステム・トラブルに見る、自治体のシステム運用・監査の課題 】
2015年12月号 No.177:【基礎的自治体のシステム・トラブルに見る、自治体のシステム運用・監査の課題<第2回>】
2016年6月号  No.183:【 近畿支部報告 第158回定例研究会」 】「会計・税制改正を巡るシステム監査のあり方」

6.所感

本講演では、来年4月に迫った公会計の改正や消費税制の新たな課題について、身近な事ながら気付いていない矛盾、問題点を認識し、システム監査人としての観察眼について考える機会となりました。
また、某自治体のシステム・トラブル対応については、関心があっても関係者でないとなかなか知ることができない事項を、議会での質疑や取材活動を精力的に継続され、自治体側も計画的に改善取組されていることを知りました。関係者皆さまのご努力に敬意を表しますとともに、自身の業務において周囲への啓発に努めたいと感じました。

以上

日本システム監査人協会 近畿支部では、システム監査に従事されている方、システム監査にご興味のある方、また支部活動を支援して下さる方を広く募集しております。

詳しくは、こちらよりお問合せください。


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